副業ブログは雑所得か事業所得か|青色申告ができる条件と、特別控除 65 万・55 万・10 万円の違い


副業ブログの収益は、確定申告で、雑所得か事業所得のどちらかに区分されます。この区分で、青色申告ができるか、特別控除が使えるか、帳簿の義務がどうなるかが変わります。国税庁の資料と、A8.net の確定申告の案内(税理士が監修)をもとに、区分ごとの違いを表にして、試算の例を載せます。区分の判断は、実態によります。試算は私が計算した例で、税務上の助言ではありません。

この記事でわかること
  • 雑所得と事業所得の違い、青色申告ができる人の範囲
  • 青色申告特別控除(65 万・55 万・10 万円)の条件
  • 区分ごとの、帳簿と書類の義務
  • 申請の期限と、控除額の試算
先に結論
  • 青色申告をすることができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。雑所得だけの人は、この範囲に入っていません。
  • 青色申告特別控除は、不動産所得または事業所得から引かれます。正規の簿記で記帳して、貸借対照表と損益計算書を、期限内の確定申告書に添付すれば、最高 55 万円です。さらに電子帳簿保存または e-Tax を使うと、最高 65 万円です。それ以外の青色申告者は、最高 10 万円です。
  • 業務に係る雑所得でも、帳簿書類の義務はあります。前々年分の収入金額が 300 万円を超える人は、現金預金取引等関係書類を 5 年間、保存します。1,000 万円を超える人は、確定申告書に収支内訳書などを添付します。
  • 雑所得の赤字は、給与などほかの所得と損益通算できません。事業所得の赤字は損益通算でき、青色申告なら、引ききれない分を翌年以後 3 年間に繰り越せます。

区分の違いを、表で比べる

雑所得(業務に係るもの)事業所得(青色申告)事業所得(白色申告)
青色申告できないできるしない
所得の計算総収入金額 − 必要経費総収入金額 − 必要経費(− 青色申告特別控除)総収入金額 − 必要経費
特別控除なし最高 65 万・55 万円、または 10 万円なし
帳簿前々年の収入が 300 万円超の人は、現金預金取引等関係書類を 5 年保存記帳が必要。法定の帳簿は 7 年保存記帳が必要。法定の帳簿は 7 年保存
収支内訳書などの添付前々年の収入が 1,000 万円超の人青色申告決算書など確定申告書を出すときは、総収入金額や必要経費の内容を書いた書類の添付が必要
損失(赤字)他の所得と損益通算できない他の所得と損益通算できる。それでも控除しきれない損失は、翌年以後 3 年間、繰り越せる(青色申告の特典)他の所得と損益通算できる。繰越しは青色申告の特典のため、対象外

雑所得は、ほかの所得区分のいずれにも当たらない所得です。副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が、例に挙がっています。このうち、営利を目的とした継続的なものが、業務に係る雑所得です。事業所得は、事業を営んでいる人が、その事業から得る所得です。

どちらに区分されるか

国税庁の資料は、所得の区分のあらましを、「所得の区分のあらまし(コード 1300)」で案内しています。A8.net の案内(税理士の監修)は、アフィリエイトの収入について、次のように説明しています。

  • 区分は、社会通念上、事業と称するに至る程度で行っているかで判定する。
  • 事業所得(青色申告)は、継続的にある程度の収入があり、青色申告承認申請をしている場合。
  • 雑所得は、継続的にある程度の収入がない場合、帳簿書類の保存がない場合、赤字が続いていて、赤字を解消する取り組みをしていない場合。
  • 年間のアフィリエイト収入が 300 万円以下で、会社員が副業で行っていて、主たる収入に対する割合が 10% 未満なら、雑所得に当たる場合が多い。

最終的な判断は、税務署や税理士に確認します。

青色申告特別控除の条件

控除額条件
65 万円55 万円の条件を満たし、さらに、事業に係る仕訳帳と総勘定元帳を電子帳簿保存で保存するか、確定申告書や貸借対照表などを e-Tax で送信する
55 万円不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表、損益計算書、所得の金額の計算に関する明細書を確定申告書に添付して、期限(翌年 3 月 15 日)までに提出する
10 万円上の条件に当たらない青色申告者

注意点です。

  • 現金主義による所得計算の特例を選択している人は、55 万円の控除を受けられません。
  • 所得の金額の合計が、控除額より少ない場合は、その金額が限度です。
  • 65 万円の控除のうち、電子帳簿保存で受ける場合は、優良な電子帳簿の要件を満たして、一定の事項を記載した届出書を、確定申告期限までに提出する必要があります。ただし、すでに要件を満たして 65 万円の控除を受けていた人が、引き続き満たしている場合は、届出書は要りません。

試算:区分と控除で、所得の金額はどう変わるか

ブログの収益を、事業所得として申告する場合と、雑所得として申告する場合を比べた例です。控除の要件は満たす仮定で、税額は計算していません。

例 1: 売上 120 万円、経費 30 万円例 2: 売上 60 万円、経費 30 万円
売上 − 経費(控除の前)90 万円30 万円
事業所得(青色、65 万円控除)25 万円0 円(限度は 30 万円)
事業所得(青色、55 万円控除)35 万円0 円(限度は 30 万円)
事業所得(青色、10 万円控除)80 万円20 万円
事業所得(白色)または雑所得90 万円30 万円

同じ売上と経費でも、区分と、帳簿の水準で、申告する所得の金額が変わります。

申請の期限

場面青色申告承認申請書の提出期限
原則青色申告をしようとする年の 3 月 15 日まで
その年の 1 月 16 日以後に、新たに事業を始めた事業を開始した日から 2 か月以内

新たに事業を始めたときは、個人事業の開廃業等届出書も、提出します。提出期限は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。

手続き・判断の前に確認すること

  • 区分: ブログの収益が、業務に係る雑所得か、事業所得か。国税庁の「所得の区分のあらまし(コード 1300)」と、税務署で確認します。
  • 帳簿の水準: 複式簿記で記帳するか、簡易な記帳にするか。国税庁の「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度(コード 2080)」と、「青色申告制度(コード 2070)」で確認します。
  • 前々年分の収入金額が、300 万円や 1,000 万円を超えていないか。
  • 扶養との関係: 控除後の所得で判定されるかは、国税庁の資料と、加入先の健康保険で確認します。扶養の考え方は、ブログ・アフィリエイト収益と配偶者の扶養で整理しています。
  • 個別の判断は、税務署や税理士に相談します。

次にやること

以下は、公式の資料と試算を踏まえた想定です。

  • ブログの売上と必要経費を、日々、記録して、年間の所得の金額を見積もる。
  • 青色申告を考えるなら、承認申請書の期限(3 月 15 日、または事業開始から 2 か月以内)を、カレンダーに入れる。
  • 前々年分の収入金額が、300 万円を超える年は、帳簿書類の保存を始める。

出典

内容は確認日時点のものです。最新の情報は、出典の公式ページで確認してください。

本記事は、複数の公的資料の内容を整理し、試算や表は私が作ったものです。私が実際に使った感想ではありません。アフィリエイトリンクは含みません。 確認日: 2026-10-31 / 出典: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1300.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htm、https://www.a8.net/compliance/final-tax-return.php